Facebook Graph API / Marketing API v3.2 がリリースされた件
日本時間 10月 24 日未明、Facebook Graph API / Marketing API v3.2 がリリースされた。個人的には Global Partner Summit に合わせてくるかと思ったが、2 週間ほどずれる結果となった。
Table of Contents
変更点概要
今回の変更点はざっと以下となる。
- Graph API
- Instagram でコメントを取得する際、デフォルトではこれまで日付順だったのが日付降順 (新しい順) になる。
page_fans
,page_fans_city
,page_fans_country
,page_fans_gender_age
,page_fans_locale
といった Page like に関する情報について全期間で集計できなくなった。- Facebook ページへのコメントにリアクションをつけられるようになった。
- ライブビデオやビデオ・オン・デマンドを元にビデオ投票を作れるようになった。
- Marketing API
- 何か問題があって広告を配信できない場合、ステータスとして
WITH_ISSUES
またはISSUES_INFO
を返すようになった。エラーについての詳細情報はerror_code
に格納される。 - Dynamic Creative 回りの修正。creative asset feed は廃止となった。
- 商品を含まない製品セットを新規作成できなくなった。
- 9 月に発表された新規の標準イベント 8 種 に合わせて、Insights で取得できるイベントごとのコストについて一部廃止となった。
- Business Manager API で
/userpermissions
が廃止となった。
- 何か問題があって広告を配信できない場合、ステータスとして
- ユーザが Facebook app を 90 日以上使っていないと取得したパーミッションすべてが無効になる。
Facebook ログインの仕様変更
今回の仕様変更で一番大きな仕様変更は Facebook ログインの仕様変更だろう。気をつけたいのは、この仕様変更によってアクティブなエンドユーザへのインパクトはほとんどないということである。 仮に 90 日以上 Facebook ログインもサイトの機能も使わない状態で Facebook ログインをしても、特に Facebook へのログイン用メールアドレスやパスワードを入力する必要はない。
唯一違うのは、90 日経過していると初回 Facebook ログイン時と同様に下のような OAuth2 の認可画面が表示されるということになる。
つまり、 90 日以上サイトに Facebook ログインしていない場合は再度認可画面が表示されるので、エンドユーザはログイン先にどの個人情報を引き渡すか再確認できるということになる。
ただ、現在の流れではソーシャルログインはあくまでもログインの利便性を上げることでオウンドメディアまたは EC サイトに対するエンゲージメントを上げるために実装するもので、個人情報はあくまでも別途サイト側管理画面で入力させるケースがほとんどだろう。そういう意味でいえば、ここで個人情報の引き渡しを拒否されてもそこまでインパクトはないかと思われる。敢えて言えば、常に「正しい」メールアドレスに更新する機会が少なくなる程度だろう。
その他の変更
Graph API
Graph API の変更については、地味ではあるがある程度インパクトがあるケースはあるだろう。特に Facebook ページ管理ツールの場合は取得できるメトリクスの期間に変更が入ったこともあって、ユーザへの説明が必要になるケースがあるかと思われる。
また、Facebook app の DAU または MAU を取得している場合は別途パーミッションの取得が必要となった。この場合、ユーザの再ログインが必要となるので、こちらも対応が必要だろう。
Marketing API
Marketing API については、いつものアップデートと同じく Insights の項目に変更が発生した。これは心の準備ができているかと思う。
Dynamic Creative を使っている場合に asset_feed_id
が廃止されてしまったが、そもそも creative asset feed を作ってからクリエイティブに紐付けるようにすると API の呼び出し回数が増えてしまうこともあって、初期実装を 1 年近く放置していない限りは asset_feed_spec
を利用する実装に変更しているかと思う。仮に変更していなければ対応が必要となる。
v3.1 に引き続き、v3.2 でも Facebook ページ Like の取得制限や Facebook ログインで取得したパーミッションへの実質的な期限付与と、ユーザ保護を主眼に置いたアップデートとなった。GPS 直後にさらに情報漏洩が明らかになった Facebook にとって、しばらくはユーザ情報保護に主眼を置かざるを得ない状況が続くことだろう。