Facebook Graph API v3.0 リリースと同時にログイン審査がリニューアルされた件


5 月 1 日 (現地時間) の F8 にあわせて Facebook Graph API v3.0 がリリースされた

F8 でグループ機能が強化された、Facebook Pixel での履歴をユーザが削除できるようになる、Facebook が出会い系に参入など、色々と大きなニュースがあったが、一方で Graph API v3.0 と同時に一時中断されていた Facebook app の審査がより厳しくなって復活した

気をつけるべき点

今回の審査で大きく変わる点は以下 3 点。

  • すでに審査が通過していたとしても、8 月 1 日までに再度審査が必要
  • 特定のパーミッションにアクセスするビジネスについては、光熱水道費の請求書や定款、法人番号の提出などによる実在確認が必要。
  • サードパーティとして Facebook プラットフォームにアクセスするようなビジネスについては、収集したデータについて目的外利用をしないという追加の契約が必要。

この記事を読んでいる層にとっては、再審査が一番問題になるだろう。

再審査

たとえば Facebook ユーザの住所を取得するのに必要な user_location パーミッションを取得するには、Facebook に審査を依頼して審査に通過する必要があった。この審査が意外に面倒で、もちろん英語で記載する必要はあるし、パーミッション経由で取得した情報がどのように使われるかを動画で説明する必要があった。

2014 年 5 月以降、手順が若干変わることはあってもこの面倒くさい手順を経て Facebook app で各種パーミッションを取得できるようになってきたが、すでに審査を通過してこれらを取得できるようになった Facebook app についても 8 月 1 日までに再度審査に出す必要がある。

ここ数年は審査基準がかなり緩くなってきていて、例えば審査導入当初は否認されていた EFO の一環でフォームアシスト用に取得するといった理由でも審査を通過していたが、こういった理由では再審査に落ちる可能性がある。つまり、審査を通過している既存の Facebook app であっても再審査では否認される可能性があることに気をつける必要がある。

Graph API v3.0 での変更点

個人情報で廃止される項目

Graph API v3.0 で一番大きなポイントは、これまでは審査不要のパーミッション public_profile を取得していれば取得できた個人情報について、個別に要審査パーミッションを取得しないと取得できなくなった、またはそもそも廃止されたものがある点。具体的には以下となる。

  • age_range
  • context
  • cover
  • currency
  • devices
  • gender
  • link
  • locale
  • timezone
  • updated_time
  • verified

これに伴い、以下パーミッションが新規に追加された。

  • user_link
  • user_age_range
  • user_gender

また、デフォルトで取得できていた user_friends は要審査対象となる。

デフォルトで取得できていた age_range が廃止になるのは、例えばアルコールのキャンペーンで年齢制限をかけるために使っていたりするパターンで影響があると思われる。

Development Mode の扱いの変更

今回、Facebook app の Development Mode の扱いが大きく変わり、

  • Development Mode では Facebook app の Role に追加したユーザの操作しかできなくなった。さらに app / page ごとに 1 時間 200 リクエストしか発行できなくなった。
  • Public Mode ではたとえ Role に入っていても審査が必要になるパーミッションは取得できなくなる。今後作成する Facebook app については即時適用、既存のものについては 8 月 1 日まで移行期間となる。

実はこの変更は一部ビジネスにとってかなり大きい。例えば、これまでは Facebook app で Development Mode のままにして自分自身を Facebook app の Role に追加しておき、Business Manager で関連付けた Facebook ページや広告アカウントの管理に使うという便利なやり方があった。今後、これが使えなくなる。

その他

その他、Insights のメトリクスの廃止や API エッジのスコープの変更、Instagram Graph API ではビジネスの実在確認が必要になったりしている。詳細は ChangeLog 参照。