洗車沼にどっぷり嵌まったので自分なりの洗車を説明する【後編】
前編では洗車のための準備から泡洗車までを、中編では泡洗車後の追い洗車とすすぎについて書いた。後編では拭き上げとホイールの洗浄について書く。
目次
拭き上げに必要なもの
拭き上げの方針として、まずは吸水セームで水平面とガラス面をざっと拭き取る。ここでは拭き上げよりも、水分量を削ることを目的とする。
そうやってざっくり水分を減らしてからマイクロファイバークロスで吹き上げていく。マクロファイバークロスの必要枚数としては、
- 車体全体をざっくり拭くための特大サイズ。吸水セームを使わないなら 2 枚以上必要。
- 特大サイズでは拭きにくい部分を拭くための大サイズ
- シル回り用。2枚ほどあるとよいが、1枚でも回せる。
- 窓を雑に拭くためのもの。何度か洗濯して固くなってきたクロスを使う。
- 窓の仕上げ用。これは窓専用のものを使う。
- ホイール用。無理に拭かなくてもよいと思う。
あたりだろうか。
拭き上げ
吸水セームで水分量を減らす
まず吸水セームを脱イオン水で濡らしてからよく絞ったもので水平面を拭いていく。
上の写真の状態で、手前側の左右角を引っ張って吸水させるが、すべての水分を吸水させる勢いでやる必要はない。
また、引っ張るたびに車体側の面を確認し、ゴミがついていないかを確認する。目に見えるゴミや泡がついていれば洗車が足りないので再度洗車する。
ゴミがついていると傷の原因になるので、目に見えるゴミがなくてもよく洗い流して固めに絞り、水平面を吸水していく。
大体の目安で、
これくらい拭き取れていれば問題ない。
吸水セームを使わずにマイクロファイバークロスで拭き上げてもいいのだが、洗車の仕上がりを確認するのに吸水セームの方がゴミの付着を確認しやすいという理由でまず吸水セームを使っている。
ただ、吸水セームは洗車傷の原因になりやすいので、吸水セームを使わない選択肢もありだとは思う。
拭き上げ
次に、巨大サイズのマイクロファイバークロスで吹き上げていく。自分の場合はペルシードドライングクロススーパービッグを使っているが、トヨタ・ハリアーやポルシェ・カイエン、BMW X5 といったレベルの巨体でない限りはこれ一枚で大まかに拭き上げられると思う。
拭き上げる際は、
こんな感じでクロスの縁を折り込んで、縁で拭き上げないように気をつける。この状態で撫でるように水分を拭き上げていく。
拭き上げにくい箇所
得てして拭き上げにくい箇所というものはすすぎにくい箇所と一致するものだ。リアゲートや給油口などはその最たるものなので、必ず確認する。
角については巨大サイズのクロスだと拭きづらいので、巨大サイズでは無理せず拭きづらいところは残しておく。
クロスの切り換え
ある程度拭き上げたら、クロスを小さいものに切り換えて細かい場所を拭いていく。自分の場合は、ペルシードドライングクロス ビッグかキーパークロスのどちらかを使っている。
上記のような隅もこの時点で拭いていく。また、ドアやトランクを何度か開け閉めするとナンバープレートの裏やサイドミラーの拭き残しが分かるので、何度か開け閉めして確認しながら拭いていく。
特にドアハンドル部分は非常に拭きにくいのだが、物理的な力をあまりかけないように優しく拭いていけばよい。
自分の場合は純正のスクラッチガードを貼っているので、ここだけは特にクロスの縁を気にすることなく拭いている。
また、この時点でグリルも拭いていく。グリルは本当はブロワーで吹き飛ばすのが一番いいのだが、さすがにそのためだけにブロワーを買うのは気が引けるのでまだ導入していない。
シル部分の拭き上げ
重要なのはやはりシル部分の拭き上げだろう。
シル部分はたまに汚れが残っていることがあるので、自分は専用のクロスで拭き上げるようにしている。
ガラスとサイドミラー
最後にガラス回りとサイドミラーを拭き上げる。これも色々試してみたが、オートバックスブランドの「窓用マイクロファイバークロスCL-17」のコスパが最強だった。
まず大まかに何度か洗濯して固くなった普通のマイクロファイバークロスで拭いておく。ここで新品を使うと糸くずが気になって仕方がないので、使い古しでやるとよい。
ある程度水分を取ったら、専用クロスを脱イオン水で濡らした上で固く絞り、それで拭き上げていく。
フロントガラスについてはこの時点でいったん確認しておく。特にフロントガラスにコーティングを施工している場合、汚れが落ちきれない場合がある。
この場合は無水アルコールでざっと拭き掃除をした後、再度専用クロスで拭き上げる。
ホイールの洗浄
最後にホイールを洗浄する。自分の場合、ホイールも希釈した中性洗剤でざっと洗っている。
明らかに鉄粉が刺さっているときは鉄粉除去剤を使うが、原則として中性洗剤のみで洗っている。
なお、洗っているとディスクローターが錆びることがある (上の写真も錆びている) が、ちょっとブレーキをかけると磨かれるので気にする必要はない。
最後に脱イオン水ですすいだ後、ボディに飛び散った水は再度拭いておく。この工程は拭き上げ前にやってもいいのだが、夏場だとホイールを洗っている間にボディの水分が乾いて水垢やウォータースポットになるので自分は最後の最後にやっている。
洗い終えたホイールは拭き上げてもよいのだが、自分の場合はそこまで気にはしていない。
女の子を乗せるとかそういった理由があるのならタイヤワックスをしたくなるので拭き上げるのだが、タイヤワックスそのものが汚れを呼び寄せる元になるのであまりおすすめはしない。女の子もどうせタイヤワックスまでは見ていない。
サンルーフの縁
うちのスポーツセダンにはサンルーフがついているのだが、このサンルーフの縁にどうしても土埃がついてしまう。なので、シル回りを拭くのに使ったタオルで水拭きする。
室内掃除
最後に、室内の掃除をする。マットは必要に応じて高圧洗浄するが、大体は掃除機のみで済ませている。掃除機も色々試したが、足下は HITACHI の「こまめちゃん」、それ以外はダイソン V7 Trigger に落ち着いた。
別に分けなくてもいいように感じるかもしれないが、ダイソンは室内掃除にも使うので足下回りとは分けておきたい。また、小石の吸引力はこまめちゃんのほうが上だし、吸引した小石がダイソンのゴミカップに当たりまくるのは精神衛生上もよくない。
後はシートや内装の拭き掃除とガラス内側の拭き掃除くらいだが、ガラス内側は意外に油膜がついていたりする。その場合は車内用ガラスクリーナーか無水アルコールで掃除するとよい。
後片付け
以上で洗車は終了になる。道具類は丁寧に片付け、クロス類はすべて洗濯する。面倒なようだが、微細馬ゴミが絡んでいたり汚れもつくので毎回洗濯する。洗濯時には脱イオン水を気にする必要はない。
また、泡洗車をした場合、その泡がどうしても残ってしまう。
この泡はきちんと処理しておく必要がある。
最後に
ここまでこだわったせいか、納車後1年以上経過しているものの水垢やイオンデポジットはそこまでついていない。(ないわけではない)
一方、一番気になるのはランニングコストだろう。自分の場合はすべて脱イオン水で洗車しているので 3 ヶ月ごとにイオン交換樹脂の交換が必要になるが、最終すすぎに限定すれば半年以上はもつだろう。毎週洗車するとして 26 回なので、イオン交換樹脂代だけ考えれば 380 円少々となる。
これに加えて洗剤などのケミカル代が 1 回につき400 円前後、クロスは窓専用が2ヶ月ごとに交換、それ以外が大体半年ごとに交換なので 1 回換算で 300 円前後だろうか。
これに電気代と水道代がかかるので、1 回あたりの洗車にかかるコストは大体 1,100 円前後と言えよう。これは (ミクロ経済学的な意味で) 初期費用が 0 となる長期で見た場合なので、短期的には高圧洗浄機など、いろいろな備品代がオンしてくることになる。
これだと結構高すぎるので、
- 泡洗車は月に1回か長距離走行後のみ
- 脱イオン水は最後のすすぎのみ
といった工夫でより現実的な金額に落とすことが可能だろう。
以上、3 度に分けて自分の洗車方法を書いてきた。
「車はただの道具」なら正直なところ月に一度コイン洗車機、鳥糞や樹液がついたら都度掃除シートのレベル感でもいいと思う。
一方で、好きな車または乗りたい車を買ったので洗車傷をつけたくない、数年後にくすんだ感じにしたくない、といった向きにはこの記事が参考になるとうれしい。