株式会社フィードフォースを離れて新しいチャレンジをすることにしました


普段はである体に統一しているのですが、今回はですます体にします。

標記の通り、本日 2021 年 6 月 30 日を持って株式会社フィードフォースおよびフィードフォースグループを離れて新しいチャレンジをすることになりました。

執行役員・開発本部長という肩書きもあり、特にマーケットに対してある程度のインパクトがあるのは認識しています。社内で何か騒動があるのではないか、個人で実は事件を起こしたのではないか、といった想像をかき立てしまうのも事実ですが、敢えて言います。今回は全くそういうことはありません。後述する対談からもそれがうかがえると信じています。

正直なところ、自分が予想していたよりもはるかに多くの社内の方々から様々な反応をいただき、改めて自分がフィードフォースに大きな足跡を残していたことを認識した次第です。特に代表の塚田さんからは、週報で非常に熱く、暖かい長文記事をいただきました。

残念ながら内容的にもお見せしづらいのですが、これまで塚田さんが誰かの退職にあたってここまでの反応を示したことはなく、ここが一番自分にとっては驚きだったところです。

これを受けて自分が社内の esa に書いたものを、社外に出せない内容は改変した上で以下に貼ります。

2007年9月に入社して14年10ヶ月ですが、今週 6 月 30 日(水)に退職します。思いを口にすると目から汗をかきそうなので、ここに書こうと思います。

入社のきっかけは本当に些細なことでした。それまでの職歴がどれも2年以下だったので、まさか10年以上勤務するとは思わなかったというのが正直なところです。
そんな自分が10年以上勤務できたのは、やはり当初はスピードが速くて色々なプロダクトに挑戦できたこと、「やりたいのにできない」ことがあまりなかったこと、エンジニアリングに限らず色々な挑戦ができたこと、これに尽きると思います。
プロダクトにてこ入れするために徹夜でサブプロダクトを作ることもありましたが、なんだか趣味の延長に近かったのでそこまで負担でもありませんでした。

そんな牧歌的なITベンチャーが上場に至る大きな転機を迎えたのは二つあったと思っていて、一つはペンギンアップデート、パンダアップデートと言われる SEO に関する Google のアップデート、もう一つは塚田さんも書いていた Feedmatic の立ち上げです。

ペンギンアップデート・パンダアップデートは、それまでそれなりにフィードフォースに売上をもたらしていた ContentsFeeder というサービスの将来を一瞬にして暗転させるものでした。

初期の Feedmatic についてはいい意味でひどいサービスで、当時ダイナミック広告を提供していなかった Facebook で、擬似的にダイナミック広告を実現するものでした。
ただ、当時 Facebook の上限をに迫る API 呼び出しを伴うもので、API 呼び出し制限をかいくぐるために 1 回の入稿に 1 週間くらいかかっていました。

度重なる入稿スクリプトの改良により入稿完了まで数日まで改善したと思ったちょうどそのときに Facebook が純正でダイナミック広告を出すという情報を察知し、そこで第1シーズンは終了となってしまいましたが、元旦から入稿を始めるくらいにはのめり込んでいたと思いますw

ただ、こういった一連の諸々で業界のエンジニアの中でもトップクラスと言えるくらいには広告に詳しくなったと思いますし、会社としても一気に成長を加速することとなりました。
また、グローバル企業との付き合い方やグローバルな思考など、個人的にも色々得るものが大きかったと思います。

上場前後からはどちらかというとマネジメント寄りになりましたが、元々は人に寄り添うこと、むしろ人の話に耳を傾けることすら苦手だった自分ですから、皆さんには不快な思いをさせることも多々あったかと思います。

結構やり残したことも多いのですが、なんとか投げ出さずにここまで走り抜けることができました。本当にありがとうございました。

これに若い世代へのお願いを付け加えたものが自分からの最後のメッセージになります。

有給休暇は40日以上余っていましたが、若干使ったものの今日の退職日まで駆け抜けました。やりきれずに途中で引き継がざるを得なかったタスクも多々ありますが、退職日に塚田さんに「最後まで全力を尽くします」と伝えたとおり、最後まで駆け抜けることができたと思っています。


5,022 日の在籍の中で、不思議と「辛くてすぐに辞めたい」と思ったことはありませんでした。退職前後にはアプローチをしてきた他社の人事と話をしていて「辞める理由がまったくないようにみえるんですが」と言われてしまうくらいにはフィードフォースのことを楽しく話していたくらいです。

そんな自分がフィードフォースを離れることを決意したのは、一つは広告を取り巻く環境が大きく変わって Walled Garden の存在感が非常に高まる中で Walled Garden の外からではなく中の景色を見てみたいこと、そしてもう一つは、組織のシャッフルが必要でそれがフィードフォースにできる最後の貢献だと常々感じていたことが理由です。

このあたりのことは、この記事とほぼ同時に公開された塚田さんとの対談記事でも話しています。

実際の対談は非常に和やかかつエモーショナルな雰囲気で、あっという間の時間でした。「そう思っているならもっと早く言ってよ」というのが正直な感想ではありましたが。


というわけで、非常に良好な状態で本日を迎えることとなりました。
今後も一株主としての関係性は継続しますし、近い将来、どういう形にせよフィードフォースグループと仕事をすることもあると思います。その日を楽しみにしつつ、社員の皆さん、応援いただいている株主の皆様、お客様をはじめとする関係者各位には改めて申し上げたいと思います。


なお、Amazon のウィッシュリストというものを作ってみたかったので、一切の忖度なしに全力で欲しいものを入れました。