4年で3回ほど転職したが、40代以降のキャリア戦略はちゃんと考えた方がいい件


フィードフォースを退職して以降、4年で3回ほど転職したのでその流れと、キャリア戦略について思うところを少し書いておく。

大まかな流れ

転職の流れだけ先に箇条書きで書いておく。

  • 2021年7月、フィードフォースを退職後、楽天グループ株式会社に転職。楽天アフィリエイト開発部隊のマネージャ。
  • 2022年11月、LINE 株式会社に転職。開発3センター副センター長→センター長。
  • 2023年10月、合併に伴い LINE ヤフー株式会社本部長。
  • 2024年8月に退職、9月より現職。

現職は調べれば出てくるが、敢えて書かない。
二社とも自分には非常にいい環境で、刺激も多かった。なので、不満があって退職したわけではない。

転職の目的

転職には目的があった方がいいと思う。特に40代以降の転職は個別の目的 (例えば給与を上げたいなど) ではなく、大きなテーマやストーリーがあった方がいい。

自分の場合は、これまでプラットフォームに載ったビジネスに携わっていたので、プラットフォーム側、いわゆる walled garden の中を見てみたいというものだった。

それに加えて、ある程度外資的なジョブ型を意識していたので、報酬面もシビアに見ていたと思う。その結果、人間関係も良好だったし相対的に待遇もよかったが、楽天から LINE へ転職することになった。

最終的に現職に至った理由は、フィードフォース時代の同僚に誘われたからに他ならない。LINE の環境は非常に刺激も多く人間関係もそれなりに良好だったので、仮に誘われていなければ間違いなく今も LINE ヤフーに在籍していたし、今も当時のメンバー・同僚とは交流もある。

40代以降のキャリアについて

2000年代初頭はエンジニア35歳定年説などもあったが、結果的にはエンジニアのまま定年退職するケースもそれなりに見られるようになってきた。

一方で、生成 AI の台頭に加えて、#駆け出しエンジニア の流行で(異業種)転職の間口が非常に狭くなった今、キャリア戦略は念頭に置いておく必要がある。

いわゆるテックジャイアントからベンチャーまで複数の会社でマネージャを経験したが、Web 系エンジニアなら以下は意識しておいた方がいいと思う。

  • 最新の技術トレンドへの感度。情報収集だけではなく、実際に触ってみるところまで。
    • これを「勉強」と感じてしまう人にはお勧めしない。
    • いまの労働環境だとマネージャが 1on1 などでこれを勧めるのはなかなか難しいので、さらに格差が開く状況になっている。
  • 複数の強みを組み合わせること
    • 特定分野を強みにしてもいいが、どこまで突き詰めるかは上には上がいる。
    • それを考えると、複数の強みを組み合わせて自分自身の強みとした方がいい。例えば、技術 x 事業 x ピープルマネジメントなど。
  • コミュニケーション能力
    • 最低限自分がやったこと、自分がこれからやることくらいはロジカルに説明できた方がいい。
    • face-to-face でのコミュニケーションは nice-to-have。
  • 定期的に自分の市場価値を確認すること
    • 転職意図はなくても最低限 1 〜 2 年に 1 回は転職活動をして、自分の市場価値を確認しておいた方がいい。

2025年になって、Web 系エンジニアの転職市場はバブル後の様相がはっきりしてきたが、求職者側にはまだそれが伝わりきっておらず、希望年収が現年収の 15% 以上アップといった強気の CV を見ることも多い。
2023年であれば特に何も考えていなくても転職でそれくらいの年収増は見込めたが、今では現状維持か若干低めの提示が出るケースも散見されるようになっている。

また、#駆け出しエンジニア からフリーランスになったエンジニアも正社員回帰の流れが続いており、キャリアでの差別化が図れないと納得のいく転職が難しい状況になってきた。
個人的には 3 回とも納得のいく転職ではあるが、40代後半にもなると、ポジション・待遇などすべての面で満足が得られる状況はなかなか難しいのではないだろうか。

その中でもある程度満足のいく転職を望むのであれば、やはり複数の強みを組み合わせたスキルセットを持っていた方がいいように思う。