発信者情報開示請求なるものをやってみた件
Table of Contents
損害賠償請求訴訟
示談交渉が決裂することはほぼなかったが、後者については粛々と損害賠償請求訴訟を提起することとした。
訴状が到着して裁判外で示談交渉をしてくるパターンもあったが、一方で、そもそも訴状が特別送達で届かないパターンがあった。この場合は付郵便送達という書留送付になるが、付郵便送達を上申するにあたり、被告 (= 発信者) が開示された住所に住んでいることを証明する必要がある。
今回は調査会社を入れて報告書を作成し、世帯全員を含む被告の住民票を添付して裁判所に上申した。
なので、このケースでは
- この時点で、住民票から被告の世帯構成、誕生日、引っ越し前の住所を押さえている。
- 調査会社によって近隣住民の聞き取りを含む調査が実施される。
ということになる。
付郵便送達が発送された時点で訴状が届いた判定なので、裁判が開始する。
第1回期日をスルーしてもまだぎりぎりセーフになることもあるが、第2回期日をスルーしてしまうと欠席裁判になる。
ただ、相手が知らないところで裁判が完結しても目的 1. を達成できないので、Twitter でエアリプしたりもしていたが、
何が来るか分からないから郵便はまめにチェックしておいた方がいいと思う。
— Kenta ONISHI / meihong (@meihong) August 21, 2021
早めに気づけば対応策があったかもしれないのに、ちょっとポストを放置したばかりにより状況が悪化していることなど往々にしてある。
最終的に「この人に漏らせば伝わるだろう」というのを事前に調べておいて、そこに訴訟の話を詳細を伏せて流すことで被告に伝わるようにした。
なので、欠席裁判は皆無だった。
損害賠償請求訴訟の進行
後は、1ヶ月ごとに期日が来て原告・被告が交互に反論するので、自分の場合は原告側ターンの際に弁護士にある程度の論点をメモで渡すだけ……
なのだが、何度もそれっぽく下書きを書いているとある程度こなれてきて、最後の方は弁護士も体裁を直す程度でほぼ自分の主張がそのまま出されるような状況だった。また、全体的なこちら側の戦術もほぼ自分が考えていて、弁護士は法的な観点から助言しつつ、準備書面に落としていくといった分担になっていた。
というのは、あくまで弁護士の担当範囲は訴訟に過ぎず、自分の場合は訴訟後も見据えた種播きをしなければならない。なので、和解条項の大枠を除き、戦術や論説展開、細かな条項は概ねこちらでカバーした。
通常 5 回前後、長くても 7 回前後で裁判官から示談の提案が出てくる。2022 年になると発信者情報開示請求訴訟からの損害賠償請求訴訟もそれなりの件数が出てきたせいか、概ねどこも開示にかかった調査費用を考慮に入れた金額が提案されてきた。
なので、弁護士と相談しつつ、和解条項を詰め、お互いが合意したところで和解が成立する。
そもそも、訴訟を提起した時点でほぼ謝罪が入ってきたので、この段階まで持ち越したのはごく少数ではあった。