発信者情報開示請求なるものをやってみた件


一連の裁判をやってみて

個人的には非常に興味深く進められたが、色々と得られた知識も多かった。

  • 「個人情報を出さなければ誹謗中傷や名誉毀損にはあたらない」と思いがちではあるが、実はそんなことはない。
  • 同定可能性があるかどうかが問題なので、例えばハンドル名であったとしてもリアルであったことがある人がいれば同定可能性があるし、車両ナンバーだけでも同定可能性がある。なので基本的に開示される。
  • 相手に弁護士がついていても、提訴時の争点にないことをぶっ込んでくることがある。
  • 損害賠償請求においては常に 3 手以上を読んで対策を考えていたが、そもそも先が見えているのに訴訟にもつれ込む相手に対してそこまでやらなくても概ね問題なかった。
  • 発信者情報開示請求訴訟をやるなら、神田知宏弁護士の「インターネット削除請求・発信者情報開示請求の実務と書式」は必読。
  • スレ監視が面倒くさいので、ベイジアンフィルターで機械的にフィルタリングしてチェックしていた。これが意外に正確だったw

「ちょっとした出来心で」「匿名だから分からない」「開示請求なんてお金がかかるから絶対やってこない」これらはすべて心の緩みだと思う。

昨今、知念実希人先生が開示請求訴訟をやっているが、先生のように限度を超えると粛々と法的措置を執る気持ちがよく分かる。示談交渉の過程で「こんなことで何で裁判」という台詞は自分も聞いたが、闇金ウシジマくん 5 巻に出てくるこれが非常によく言い当てていると思う。

真鍋昌平 (2006) 『闇金ウシジマくん 第5巻』、小学館

もちろん、人によっては憔悴しきっての決断かもしれない。だが、少なくとも自分は知念実希人先生と同じ気持ちだったと思っている。


これが 2022 年までのものになる。

まだネタは残っているし、発信者情報が開示されてから 3 年は行動に猶予があるので、弁護士と相談しつつ、粛々と進めていきたい。