ibus-mozcに乗り換えた件


 Linuxでの変換効率は今でもATOK X3が最高だとは思っているが、リリースからもう4年近く、そろそろ現行のディストリビューションではちょこちょこ不具合も出てきた。かといってAnthyに戻るのは変換効率に差がありすぎる訳だが、ここ最近、Google IMEのオープンソース版、mozc (モズク) がこなれてきているので乗り換えてみた。

 mozcはiBusと組み合わせて使われるが、現時点ではGentoo Portageに含まれているので1コマンドでインストールすることができる。

emerge -av ibus-mozc

 無事にコンパイルが終わったら、X起動時に ibus が立ち上がるように起動スクリプトを書く。書く内容はemergeしたときに表示される内容をコピペすればいいが、場所は .xinitrc とか .xprofile とかいろいろある。私の場合は .xprofile に ATOK X3 の起動スクリプトを書いていたので、それをコメントアウトして ibus が起動するようにした。

#. /opt/atokx3/bin/atokx3start.sh
#. /opt/atokx3/bin/iiimf_status_hide
export XMODIFIERS="@im=ibus"
export GTK_IM_MODULE="ibus"
export QT_IM_MODULE="xim"
ibus-daemon -d -x

 一度Xからログアウトした上で再度ログインすればいいのだが、初回はセットアップされていないのでibus-mozcを利用できない。そこで、ibus-setupでibusの設定を行う。シェルから ibus-setup とするか、Gnome の場合は[システム]-[設定]-[IBUSの設定]から起動できる。

ibus.png

 ここで、「インプットメソッドの選択」から[日本語]→[mozc]を選択して[追加]を押下すればibus-mozcが使用できるようになる。

 さらにEmacsでは mozc.el があるので、これを使うように .emacs.el を書く。

(require 'mozc)
(set-language-environment "Japanese")
(setq default-input-method "japanese-mozc")

ただし、この状態でCtrl+Spaceを押下するとmozc.elではなくXIM経由でmozcが立ち上がってしまう。ATOK X3と違ってこの状態だとインライン変換ができなくなるので、私はCtrl+Spaceでインプとメソッドを切り替えないように設定している。

 さて、そんなmozcの変換効率だが、思ったより悪くはない。Anthyより遥かに良く、ATOKより若干劣る感じだろうか。まだ使い始めて1日程度なのでそこまで使い込んでいるわけではないが、昔日のUNIX日本語入力環境を考えると遥かに変換効率が上がっているのは間違いないと思われる。