Facebook Certified Marketing Developer 認定を取得した件
年末のバタバタしたタイミングだが、2020 年内に Facebook Certified Marketing Developer 認定を取得する機会があったので取得した。
このことについてちょっと書いておきたい。
以下、2021 年 1 月 4 日時点での情報となる。
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そもそも Facebook Certified Marketing Developer とは
この認定は Facebook Blueprint と呼ばれる Facebook でのマーケティングに関する Facebook 公式のオンラインコースに付随して、様々な観点から一定のスキルを有すると判定された場合に認定される Facebook Blueprint Certification のうちの一つで、特に
- Facebook Pixel のインストールに関するスキル。特に手動詳細マッチング (Manual Advanced Matching) と言われるハッシュ化されたメールアドレスなどの属性情報を用いたマッチング手法のインストールに関するもの。
- Product Catalog の生成、セットアップ、アップデートなどに関するスキル。
が一定以上あることを認定するものになる。
というと大仰だが、そこまでエンジニアリングに偏ったものではなく、これまでタグであったりピクセルのインストール経験があればマーケターでも十分取得できるものと思う。
認定を取得するには
認定を取得するにあたって、以下3点が必要になる。
- Facebook Certified Marketing Developer Preparation Course を修了していること。
- 510-201 コーディングテスト をクリアしていること。
- 500-101 選択式テストに合格すること。
コーディングテストと選択式テストに順番はないが、どちらかをクリアしたら 90 日以内にもう一つをクリアする必要がある。
なお、これらすべて英語限定となる。
なお、 Facebook Certified Marketing Developer Preparation Course について “RECOMMENDED” と書かれている。
しかし、コース本体には
You can use these curated lessons to help build the skills and knowledge required of a Facebook Certified Marketing Developer. Completion of these lessons is a requirement for certification.
と書かれているのでおそらく必須だろう。実際問題、このコースは修了しておいた方がよい。
コーディングテストも選択式テストも不合格になると一定期間再受験できないので、ある程度準備はしておいた方がいいだろう。
そういう意味でも、選択式テストを受験する前に練習問題は絶対に受けておいた方がいい。問題数は半分以下だが、本試験でも似たような問題が出る。ここで最低限 8 割は取れるようにしておいた方がよい。
「ここで最低限 8 割」には理由があって、練習問題は本試験の範囲を 100% カバーしているわけではない。そういう意味で、ある程度の安全マージンは取っておいた方がいいだろう。
また、英語ネイティブでない場合は、練習問題で出てくる単語は全部おさえておくべきだと思う。特に本試験はオンライン・オフライン問わず辞書を使えないため、英語ネイティブでなければ問題の意図を汲み取るための最低限の英語力が必要になる。
解くだけの知識・経験があるのに英語力不足で問題文を完全に理解できない、というのは非常にもったいないのは言うまでもない。
試験形式
上記の通り、認定にあたって選択式の試験およびコーディングテストに合格しなければならない。
ただし、個人の感想として、難易度はそこまで高いわけではない。最低限、ドキュメントを辞書なしで一定の速度で読めれば問題ないだろう。
コーディングテスト
コーディングテストは
- 制限時間がない。
- ドキュメントを参照してもよい。辞書も引ける。
- Qualified で実装されているが、単体テストがないのでそこまで採点は厳しくなさそう。
といったところなので、そこまで緊張することはないだろう。
- 手動詳細マッチングに対応した Facebook Pixel のインストールとインストールの確認
- Product Catalog のセットアップ
ViewContent
,Purchase
といったダイナミック広告に必須なイベントが正しくインストール、発火すること。
あたりがコーディングテストの対象となる。
ただし、自分の場合は、人間によるチェックが入る可能性を考慮して詳細にメモとスクリーンショットを残しておいた。メモに関して英語に自信がなかったとしても、DeepL で翻訳をしたものでも問題ないだろう。
答案を提出後、自分の場合は 12 時間ほどで合格した旨のメールが来た。
選択式テスト
受験まで
選択式テストは 90 分で 45 問を解くことになる。傾斜配点での 1,000 点満点で 700 点が合格ラインだが、気をつけないといけないのは、辞書も含めドキュメントは一切参照できない点にある。
つまり、分からない単語が出てもその場でエスパーするしかないので、上でも書いたとおり、最低限
- ドキュメント
- 練習問題
に出てくる単語は一通りおさえておいた方がよい。逆に言えば、英語力に関してはこの 2 つをおさえて初めて業務知識の勝負になる。
受験環境
また、受験環境にも気をつける必要がある。
- ピアソン VUE が用意するテストセンター。
- オンライン受験
のどちらかを選択することになるが、両者とも試験監督がいる。
また、オンライン受験の場合は写真と署名の入った政府発行の身分証明書が必要とのことで、事前チェックイン時に確認サイトから身分証明書の撮影およびアップロードが必要になる。
もしかすると運転免許証でもいけるかもしれないが、念のためパスポートを提示した。
受験用アプリケーション
オンライン受験の場合、カメラとマイクで監督されながら受験する関係上、専用アプリケーションをインストールしてそれで受験するのだが、専用アプリケーションを起動するとブラウザや Slack、Finder といった試験には不要なアプリケーションが全部強制終了させられる。
この専用アプリケーションについては、環境確認用の試験 ID を発行できるので、事前に要件を満たしているか、特にカメラとマイクが正しく動作するか確認しておいた方がよい。
受験前チェック
試験が始まる前に、PC 付属の Webcam 経由で環境が整っているか (片付いているか、手の届く範囲にカンニングペーパーがないか) などのチェックが入る。
また、試験要項にも書かれているとおり、落としたものを拾ったりして変に目線をそらすと試験が終了になる可能性があるので、微妙に緊張してしまう。少なくとも自分はそうだった。
自分の場合は会議室を予約してそこでオンライン受験したが、腕時計を外して手の届かない範囲に置くように指示があった。指示はチャットで、かつ英語で入るので、画面の指示は細かく確認した方がよい。
受験
テスト自体は、選択式問題のみで記述は全くない。45問あり、1つ選択または複数選択のどちらかなので、どちらで答えるべきかは早めに押さえておいた方がいい。なお、複数選択の場合、選択数は明記されているのでそこまで意地悪ではない。
時間は90分だが、自分の場合は50分ほどで終了した。正直なところ、この手の資格を取ろうとする日本人が受験する場合、ここは知識以上にどれだけ早く英語を読めるかの勝負だと思う。
繰り返しにはなるが、TOEIC などと違って使う単語がかなり絞られてはくるので、関連ドキュメントで十分にならしておくといいと感じた。
なお、Practice Test と違い、選択を間違って次の問題に移っても最終的に修正できるのでそういう意味では安心できるが、一方で Practice Test と同じように質にムラがある、具体的には JavaScript として正しくないコードだったりするので、そこに惑わされることもあるだろう。
結果
スコアそのものは、即時採点の上で専用アプリケーション上に表示される。表示されたスコアが 700 点以上であれば合格になる。
専用アプリケーション上のスコアを見落としても、数時間で CertMetrics の方に反映される。
自分の場合、Practice Test では 20 / 20 だったが、本試験では 922 点だった。
認定
コーディングテストと選択式テストの両方をクリアすると、Facebook Blueprint Program から認定された旨のメールが送られてくる。が、自分の場合はその数日前に認定バッジのメールが送信されてきた。
認定されると、認定のパーマリンクも発行され、オンラインでいつでも確認できるようになる。
こうして、Facebook Certified Marketing Developer に認定されたことをオフィシャルにアピールできるようになる。
Facebook Certified Marketing Developer 自体は、個人のキャリアパスという観点で見れば単体ではそこまで役に立つ認定ではないとは思う。
とはいえ、広告を運用するにあたってどんどん複雑化するピクセルやカタログに関する腕試しという意味で受けてみるのもいいだろう。
腕試しにしては若干高い気もするが。