快適なリモートワーク環境について、必要なものを考える
COVID-19 の影響を受けて、現職のフィードフォースでも特にエンジニアはフルリモートに近い状態になっている。
今回は、コワーキングスペースやカフェでのリモートワークを考えず、あくまで自宅でリモートワークをする上で必要なもの、あると便利なものを雑に書いていきたい。
Table of Contents
絶対に必要なもの
安定した高速インターネット回線
正直なところ、このような事態になるまでは、
ITベンチャーに勤務しているんだし、自宅にも安定した高速インターネット回線を引いていて当たり前
だと思っていた。
実際、自分も引っ越す際にはインターネット回線の有無を必須条件に入れていたのでこれが足かせになるとは全く思っていなかったが、現職で期間限定でのリモートワークの選択肢を入れた2月末には、
- そもそも自宅にインターネット回線が引かれていない・契約していない
- インターネット回線は契約しているが、
- 宅内に有線が引き込まれているわけではなく無線接続で、転送量にも上限がある
- 有線接続はされているが、
- 非常に不安定
- マンション内でグローバル IP を共有しており、かつ回線容量が少なく輻輳する
というケースがそれなりにあった。
ということで改めて必須要件として「安定しており」「高速な」「有線引き込みされている」インターネット回線を挙げておこう。
さらに言うならば、自分が賃貸物件を探すときは
- フレッツ光
- CATV
のいずれも引き込める物件限定にして探している。
こうすることで回線の選択肢が増え、輻輳や容量不足といった事態にも対応できる。フレッツにしても CATV にしてもベストエフォートで、回線品質はその親回線を何人でどのようにシェアしているかに依存するので、そういう意味でも複数選択肢を持っていた方がよい。
なお、ポケット WiFi や WiMAX, テザリングといった選択肢は回線容量に上限があり、Web 会議を多用するリモートワークには全く合わないということを改めて触れておく。
最低限の椅子と机
これも自分は一人暮らしを始めたときから完備していたのであって当たり前だと思っていたが、実際のところはそうでもないらしい。
確かに場所は取るが、1 日最低 8 時間を過ごすわけで、肩凝りといった体調不良の原因にもなる。なので、最低限の椅子と机は揃えた方がいい。
あったほうがいいもの
ここまでは必須要件を挙げた。ここでは、必須とまでは言わないがあった方がいいものを挙げていく。
ディスプレイ
複数ディスプレイが生産性を向上させると言われて久しいが、リモートワークでもあった方がいいのは間違いない。
選択肢として専用のディスプレイを買うというものと、テレビと共用するの2パターンがあるかと思うが、個人的なお勧めは 27 インチ 〜 32 インチの 4k ディスプレイになる。
フル HD の4 倍の解像度がある 4k で作業領域を確保するわけだが、4k で 24 インチ以下だと文字が細かくなりすぎてしまう。
一方で 32 インチを超えてくると視点移動が大きすぎて目が疲れてしまう。
そういう意味で 27 〜 32 インチをお勧めしたい。なお、個人的には 27 インチをオフィスで、32 インチを自宅で使っているが、32 インチだと若干目の疲労が激しく感じる。
また、液晶パネルの駆動方式も重要だと思う。安いものだと VA だったりするが、1 日 8 時間見続けるものなので、必ず IPS を選択するようにしたい。
USB-C 対応のマシンの場合は USB-C 対応のディスプレイを選択しておくといいだろう。ケーブル1本で電源まで確保できるので、抜き差しが相当楽になる。ただし、一部世代の MacBook Pro の場合は USB-C が不安定なことがあるので、特に TouchBar に切り替わった直後の世代は注意したい。
最後に細かいが、上下の調整ができるものを選択しておくといいだろう。地味ではあるが、確実に目の疲労を軽減できる。
まとめると、
- [必須] 4k 27〜32インチ IPS液晶
- [重要] 上下調整可能
- [あるといい] USB-C対応
となる。
品質の高い椅子
敢えてディスプレイの次に挙げておこう。品質の高い椅子は正直必須と言ってもいい。1日8時間をその上で過ごすわけだが、自分に合った椅子かどうかで肩凝りや腰痛、眼精疲労といった様々な問題を軽減できる。
現職は残念ながらまだ 1 万円前後の椅子ではあるが、自分は個人的に SAYL チェアをオフィスに置いている。正直高いが、
- 13年保証
- 個人的には SAYL に変えて腰痛が相当軽減された
ので、お値段相当だと思っている。特に13年保証は大きく、これまで2度ほどアームレストが割れたが無償対応していただけた。
これを踏まえて、リモートワークが始まった頃に自宅用にも SAYL チェアを購入した。ちょうど現職でワンショットのリモートワーク備品補助があったので、それを一部に充当して買ったのだが、今でも買ってよかったと思っている。
ただし、品質のいい椅子が必ずしも「自分に合った椅子」とは限らない。ショールームなどで実際に試したりしてから買うといいだろう。
PC スタンド
残念なことに、机やテーブルはノート PC で作業をするには低すぎる。ディスプレイが水平目線より下になるので、長時間ノート PC で作業すると首が痛くなることが多い。
これを踏まえて PC スタンドをおすすめしておく。特に 30 歳以上の場合は PC スタンドは必須と言ってもいいだろう。
自分の場合は 10 年近く前にオフィスで買った Rain Design mStand を自宅で使っている。今のバージョンは問題ないが、10年前のバージョンはゴムシムが剥がれやすい問題があり、自分のものも剥がれたので新しいのに買い直した。
新しいものはオフィスで、古いものは自宅で使っている。
あるといいもの
いい外付けマイク
リモートワークだとどうしてもミーティングが Zoom や Meet, Teams といった Web Conference になる。カメラはノート PC 内蔵のものでも要件を満たすと思うが、マイクは安いものだと
- そもそも音を拾わない
- 音が割れる
- 周囲の音も容赦なく拾う
といった問題がある。周囲の音を拾う問題は Web 会議システム側で軽減できるが、それ以外はなかなかどうしようもない。
そこでインカムやヘッドセットを使うと思うが、自分は敢えて外付けマイクを推しておきたい。というのは、インカムやヘッドセットは
- どうしても蒸れてしまうこと
- 特にインイヤータイプは聴力に悪影響を与えること
- 脱着が面倒なこと
- EarPods などはマイクの位置を気にしないといけないこと
といった問題があるからだ。また、相手にクリアヴォイスをお届けするという意味でも外付けマイクをお勧めしておく。
なお、自分は Blue Microphones Snowball iCE を使っている。
マウスとキーボード
ディスプレイや椅子と同じように、マウスとキーボードも1日8時間触るものではある。なので、オフィスと自宅で環境は揃えた方がいいだろう。
ただ、ノート PC のキーボードを使っていたりすることもあるだろうから必須ではない。また、会社の許可があれば自宅とオフィスの間を持ち運びできるものでもあるので、持ち運びが可能なら買いそろえる必要はないだろう。
あるといいかも知れないもの
ここでは完全に個人の趣味で、あると捗るものを列挙しておく。個人の趣味なので万人向けではない。
全自動エスプレッソマシン
個人的にはそこまでコーヒーが好きでもないのだが、常時手元に飲み物は欲しい。そこで、以前何となく買った全自動エスプレッソマシンが非常に役に立っているw
別に冷蔵庫に飲み物を常備でもいいのだが、こちらの方が長期的にはコストパフォーマンスが高そうなこと、また、とりあえずボタンを押せばコーヒーができることから非常に重宝している。
ただし、毎日の清掃は必須なので、ずぼらな人には余りお勧めできないこと、また、コーヒーが飲みたいときに除石灰が必要になることがあるので、除石灰剤は常備することをお勧めしておく。
外付けスピーカー
独身の場合、または自分の部屋を確保できる場合は、前述のマイクとのセットにはなるが外付けスピーカーは結構お勧めしておく。
マイクだけでもいいのだがスピーカーが PC 内蔵スピーカーだとどうしても残念な音質になってしまうので、そういう意味でもお勧めするし、単純に音楽を聴きながら仕事をする上でも外付けスピーカーがあった方が満足度が高いだろう。
Webカメラ
Web カメラは、正直買わなくてもいいと思う。PC が古くてカメラの性能がイマイチ、デスクトップ PC でカメラがない場合、またはカメラで商品を写す必要がある場合に考慮するくらいだろうか。
話している人の顔なんて、それこそプライベートでもない限り画質にこだわる必要はないだろう。
ものによってはカメラにスピーカーがついているものもあるが、やはり単体の外付けマイクと比べると音質は一歩下がったものでしかない。
そういう意味でいうと、上に列挙した例外を除き、Web カメラを買うならマイクを買うことをお勧めしたい。
リモートワークをする上での必要要件、推奨要件についてだらだらと書いてみた。ここまでの内容をまとめると、
- 安定した高速インターネット回線
- 最低限の机と椅子
>>>>> ここからがスタートライン <<<<<
- 27〜32インチ 4k IPS 液晶ディスプレイ
- 品質の高い椅子
- PC スタンド
>>>>> ここまではあった方がいい <<<<<
- いい外付けマイク
- マウスとキーボード
>>>>> ここまであれば快適 <<<<<
- 全自動エスプレッソマシン
- 外付けスピーカー
- Webカメラ
といった感じだろうか。
自分も10年近くかかっているし、会社の補助も適切に利用して揃えている。一つ一つ揃えていくとしたら、上のリストを上から潰していくのはどうだろうか。