Graph API v2.1 で「いいね」をしないと進めないページが終了だという件


(8/13、続報を追記。)

日本時間 5 月 1 日の Facebook f8 2014 は相当インパクトが大きかったが、ここで発表された Graph API v2.0 に続き、8 月 8 日に v2.1 が発表された。正直、v2.1 が来るのは来年くらいだと思っていた……

変更点の概要はこちら。機能面で大きな変更といえば、FQL が使えなくなったことだろうか。個人的には FQL でフリガナを取ったりしていたが、これは Graph API では未だに取得できないのでここが困ったところではある。
なお、FQL で友達総数を取っていたパターンもあるかと思うが、/me/friends で友達総数が返るようになったので、これを使えば同じように取得可能となる。

今回の v2.1 にともなう変更点で一番大きいのは、なんといっても Platform Policies の変更だろう。

変更点は 2 箇所で、ざっくりと以下の内容になる。

  • アプリ内課金がある場合は、Facebook 内または App Store などのプラットフォーム上で必ずアプリ内課金があることを明示する必要があること。
  • Facebook ページへの「いいね」や各種ソーシャルプラグインの利用に対してリワードを出すなどのインセンティブが、ファンゲートも含めて明確に禁止になった。ただし、ソーシャルログインや場所へのチェックイン、Facebook ページ内プロモーションへの応募に対してインセンティブをつけるのはok。

前者は App Store や Google Play でも同様の縛りができているので、そんなにインパクトはないと思う。

後者については、最近よくあるパターンとして

  • 「いいね」しないとキャンペーンに応募できない
  • 泣ける話、笑える動画で釣っておいて、「続きを見るには『いいね』してゆっくりしていってね!!!1!」

的なパターンで、割とウザいと感じることが多いと思う。正直、Facebook ページのリーチ率は 10% 前後まで落ちているので、ファンゲートで「いいね」を集めるメリットは落ちてきていると思うのだが……

今回、こういうパターンは移行期間の 90 日を挟んで 11 月 5 日より一律規約違反となる。微妙なところではあるが、「シェアすると当選確率 2 倍」的なものもこの規約に引っかかる可能性がある。

規約変更に至った理由についても説明されていて

To ensure quality connections and help businesses reach the people who matter to them, we want people to like Pages because they want to connect and hear from the business, not because of artificial incentives.

要は、こういう「いいね」必須のキャンペーンやコンテンツで無理矢理集めた低品質の「いいね」ではなく、 Facebook ページでポストされる記事を本当に読みたいと思う人のみがつける「いいね」だけを集めるようにしたいというのが Facebook の意図だということだ。

これはすでに 4 月 30 日の v2.0 で予兆はあって、v2.0 以降「いいね」しているかチェックするために user_likes パーミッションを取ろうとすると、Facebook 側審査で「『いいね』しているかチェックするだけのために user_likes を要求するのは、エンドユーザの利便性を十分向上するわけではない」ので却下されるようになっていた。

というわけで、「いいね必須キャンペーン」「いいね必須コンテンツ」は終了のお知らせということになる。

前回の v2.0 の場合はパーミッション取得の前に Facebook の審査が必要になるのが一番のトピックだったが、今回の v2.1 は機能的な変更点よりもむしろ規約変更が最大のインパクトとなるのではないだろうか。