Facebook F8 Refresh 雑感
コロナ禍で完全オンラインイベントになった Facebook F8 Refresh を聞いたので、その雑感でも。
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全体の傾向として
キーノートを聞いた感じ、全体の傾向としてより Messenger / Whatsup 側に倒してきた印象がある。
もちろん Instagram や広告系は別のイベントがあるのでそちら側に回しているのだろうが、これまでは Instagram / Ad / VR がほどよくミックスされていたのが、ほぼ Messenger に倒してきていた。
個人的に一番気になったのは、Facebook ログインのタイミングで Messenger 経由での企業からのメッセージ送信のオプトイン画面を出せるようになったこと。これによりよりパーソナライズされたメッセージのやりとりができるという売り込みである。
Facebook が先行者ではなくなったという強烈な印象
この Facebook ログインと Messenger オプトイン画面との統合はキーノートの 50 分前後から始まるセッションで発表されている (セッション自体は 47 分頃から始まっているが、3 分ほどアイスブレイクなので)。
それなりに推しモードになっているものの、我々からすると既に LINE ログインで実現しているものであり、そこまで真新しさがない。
もちろんオプトイン画面が出る = GDPR により準拠しているという意味では進んでいるが、コンセプトとしては LINE が先行していると言わざるを得ない。
つまり、これまで長らくマーケティング施策で GAFA の一角として先行していた Facebook が先行者でなくなったということだ。このインパクトは非常に大きい。
さらに、Facebook 本体や Instagram と違い、メッセージングは例えば LINE や WeChat といった地域ごとに先行者がいる分野になる。
たとえ Facebook や Instagram がプラットフォームとしてグローバルにシェアを持っているとしても、ログインと連携して個々人にパーソナライズされたユーザ経験を提供できるかといった点で成功するかは未知数に感じた。
F8 自体の魅力の縮小傾向
これはオンライン化されたからかも知れないが、オフラインの F8 と比べるとそこで得られるものが格段に減ったように思う。
また、オンラインで開催されるグローバルなイベントであるが故に、時差が非常に辛くなった。オフラインのときは全日には会場付近にはいるので時差を何とかできていたが、オンラインだとカジュアルに参加できる反面、APAC 勢は時差がかなり辛いものになる。
その時差の辛さというコストを払っても得るものが大きければよかったのだが、正直なところ、今回のイベントは消化不良感が大きかった。