突然ですが戸建てを買いました – 今からでも間に合う住宅ローン減税向け確定申告
世の中は確定申告の時期だが、株やFX、副業をしていない会社員・公務員にとっては、年末調整だけで確定申告は不要なことが多いため、確定申告には縁遠い人も多い。だがしかし、最大500万円が還付される住宅ローン減税を受けるには、年末調整していたとしても初年度は必ず確定申告する必要がある。
集めないといけない書類も多いが、多忙な会社員でも、PCとプリンタがあって、かつ昼休みなどの空いた時間に郵便局に行くことができれば手続きできるので、私のやった手順を説明したい。以下、新築建売を買った場合を前提に説明する。新築建売ではなく、元々持っている土地に新築した場合などは必要な書類が減るケースがある。
住宅ローン減税に向けた確定申告に必要な書類は以下の通り。
- 源泉徴収票 (複数箇所から貰っている場合は全て)
- 住民票
- 土地付建物売買契約書のコピー
- ローン残高証明書
- 不動産登記事項証明書(土地と建物で1通ずつの計2通)
これを全て揃える必要がある。
源泉徴収票については、年末調整と同時に勤務先から発行されているはずなので、見つからない場合は再発行を依頼すればよい。
住民票は、市によっては自動発行機が設置されており、これを利用すれば窓口時間外でも発行可能になっているし、土曜日に窓口が開いている場合もある。しかし、自動発行機用のカードがない場合、または休日窓口に行く余裕もない場合は、発行手数料分の郵便小為替を郵便局で買った上で、無記名のまま80円切手を貼った返信用封筒を同封して市役所に郵送で依頼する方法もある。詳細は市役所に電話で問い合わせるか、ホームページに手順が載っているはず。
土地付建物売買契約書のコピーについては、普通にコンビニでコピーすればよい。重要事項説明書や各種覚え書きなどを取り交わしているケースもあるかとは思うが、所定の収入印紙を貼付して消印された法的に有効な契約書のみをコピーしておけばよい。
ローン残高証明書については、年末前後に取引先の銀行から送られてくる。みずほの場合ははがき大サイズのもの。処分してしまった場合は、銀行に再度発行を依頼する。
不動産登記事項証明書については、恐らく登記の際に1通ずつ貰っていると思うので、それを利用すればよい。ただ、手元に残しておきたいなどあると思うので、その場合は管轄の法務局または出張所に請求するが、今はどこの出張所でも交付してくれる。1通1,000円で2,000円必要になるが、すべて登記印紙で支払う。法務局に行く余裕がない場合は、法務省オンライン申請システムで請求できる。ここで気を付けておきたいのは、申請時に指定するのは「地番」で「住居表示」ではないということである。地番は手元の登記事項証明書に記載されているのでそれを参照する。
書類が全部揃えば、確定申告書を作成する。確定申告書の作成は、いちいち税務署に行って確定申告書一式を入手した上で手書きしなくても、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成できる。e-Taxで申請すれば5,000円還付されるが、カードリーダーを買ったり電子証明書を用意したりする手間を考えると、書面提出にしたほうがよい。
書面提出を選ぶとまず最初に必要環境が表示されるが、ここの対応ブラウザに関しては結構シビアだったりする。例えば、Windows用Google Chromeでは正しく動作しなかった。なので、ここはおとなしくIEかFirefoxを使うようにしたほうがいい。
住所と名前を入力すると、作成する書類を選ぶ欄になる。ここでは、「所得税の確定申告書作成コーナー」を選ぶ。次の画面では、年末調整済み給与が1カ所かそうでないかを選ぶが、普通のサラリーマンは左を選べばよい。役員などで給与を複数から貰っている場合、サラリーマンだが株やFXの利益・損失を申告する場合は右を選択する。今回は左側を選択した場合のみ説明する。
次の画面では、「確定申告書等を印刷して税務署に提出する。」を選択し、誕生日を入力して源泉徴収票の入力欄に移る。ここでは、源泉徴収票の表示そのままに入力していく。「住宅借入金等特別控除可能額」の欄にローン残高を入力したくなるが、ここはローン2年目以降の欄なので空白にしておく。
源泉徴収票の入力が終わったら、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」を押下する。新しいウィンドウが全画面で開くが、今回は新築建売なので、「家屋を新築した場合又は新築家屋を購入した場合」を選択する。
次の画面で、住宅ローン控除に該当するかのチェックのために、3ページほどチェック画面と入居日の入力画面が表示されるので、適宜入力していく。住宅ローン控除に該当すれば、「住宅借入金等特別控除(借入金等(総額)入力)」が表示されるので、購入金額、床面積、土地面積、ローン残高などを入力していけばよい。「控除証明書の要否」の要否については、必ず「要する」にチェックを入れておく。単独持ち分の場合はこの画面で終了、共有の場合は人数分だけ入力すれば終了になる。
再度確定申告書の画面に戻ったあと、その他、寄付や医療費控除などがあればそれを入力する。全て終わったら「還付金確認」ボタンを押して還付金を確認する。これを押さないと「入力終了」できないが、「入力終了」を押すと再度還付金が表示される極悪仕様になっている。
以上で確定申告書作成は終了となる。確定申告書がPDFでダウンロードできるようになるので、これをプリントアウトして上記書類とともに税務署に簡易書留なりで郵送すればよい。PDFには控えも入っているので、必要書類を選別した上で、確定申告書に押印する。
なお、正しく税務署に届いたか心配になると思うが、その場合は切手を貼って宛名を書いた返送用封筒とPDFに含まれている確定申告書の控えを郵送すれば、税務署側で押印して返送してくれる。ただし、確定申告が受理されたわけではないので気を付ける必要がある。
以上で確定申告の手続きは終了となる。無事に受理されれば、1〜2ヶ月後に指定口座に還付された上で、場合によっては来年度の住民税が最大97,500円減税となる。