年末年始なのでエレキット TU-8800 を作った (1)


オフィスで集中するときに結構音楽をかけているが、ここ数年ほど真空管アンプを使っている。最近はパーツのほとんどを入れ替えたイーケイジャパン製 TU-8200 を使っているが、限定生産で TU-8800 が発売されたので年末年始に組み立ててみた。

TU-8200; 真空管アンプに目覚める

そもそも TU-8200 を作ったのは去年の 4 月頃だった。
半田付けをやりたくなったのに加え、それまでオフィスで使っていた同じくイーケイジャパン製 TU-H82 と違う真空管アンプを試したくなったので買ったのだが、USB-DAC PS-3249R を含めてほぼパーツを入れ替えてオフィスで使っていた。

TU-H82 と比べると TU-8200 はより「真空管っぽい」奥行きのあるサウンドで、単にヘッドフォンアンプとしてではなく「真空管アンプの良さ」に気づくこととなった。

いったん良さに気づくと色々といじりたくなってしまう。オフィスが秋葉原に近いこともあって、海神無線に入り浸って色々と交換パーツを仕入れた。

電源部はほぼキット通りだが、それ以外は抵抗はほとんどを Dale / Vishay CMF55 とタクマン電子 REY に、耐圧が高めのところはアムトランス AMRA と Dale NS-2B に置き換えてある。

また、電解コンデンサも東信工業製 UTSJ に、カップリングコンデンサは JENSEN のオイルコンデンサに置き換えた。

ボリュームは東京光音製の 2CP601 に置き換えたが、基板の加工が必要になる。

こうして改造を満喫してからオフィスに配備したが、それなりに音質も良く、結構気に入っている。

敢えて言えば、ヘッドフォンの出力レベルの関係で、BOSE QuietComfort 35 だと USB-DAC PS-3249R のノイズが結構気になる点だろうか。
この問題も、自分が組み立ててからすぐに TU-8200R にアップグレードされて出力レベルを調整できるようになったので、今でも手頃な真空管アンプとしてはいい選択肢だと思う。

一方で、真空管アンプをオフィスに持って行っているので、音楽環境という意味では自宅には TU-H82 しかなかった。そんなタイミングに、数量限定で TU-8800 がリリースされたので、ついつい我慢できずに購入した次第となる。

TU-8800

TU-8800 を買うに至った理由

「ついつい我慢できずに」と書いた上に、Twitter でも

などと書いたので衝動買いしたように見えるが、自宅でも真空管アンプを使いたかったこと、また、前年にも TU-8600R が数量限定で発売されたので、今年もイーケイジャパンが何かしら限定で真空管アンプキットを出すだろうと見越して少し貯金していた。

加えて PS-3249R もノイズの検証も兼ねてもう 1 枚用意していたが、公式の

これを見て買おうと決めた。

TU-8800 の予習と準備

買うとは決めたものの、TU-8200 ではほぼパーツを入れ替えたこともあって入れ替えをどうしようかと悩んでいた。
金皮抵抗 1 本で 40 円 〜 60 円だが、50 本以上交換するとそれだけで 2,500 円ほどかかる。加えて JENSEN のオイルコンデンサは 1 個あたり 3,700 円前後なので、4 個で 15,000 円近くなる。

色々考えていると、発売前ではあるがサンバレーのブログで TU-8800 の分解記事が公開された。これを見る感じ、抵抗はタクマン電子っぽかった。

また、Twitter でも製作完了した人が基板の写真を公開していたり、

公式ブログでもタクマン電子製の抵抗が採用されている旨書かれているのを見て、今回はパーツの入れ替えはほぼやらない方向にした。

ただ、カップリングコンデンサを交換するとなると、0.01μF と 0.1μF がそれぞれ 2 個ずつ必要になる。0.1μF は割とメジャーなので春日無線変圧器やサンバレーでも購入できるが、0.01μF は海神無線でのみ、しかも在庫限定だったので、これだけは後悔しないように銅箔のものを 11 月中にあらかじめ買っておいた。

また、3W 22Ω の抵抗については Dale NS-2B に置き換えようとこちらも海神無線で仕入れることにした。


こうして、TU-8800 の発表から 3 ヶ月近くを経てようやく元旦から組み立てを始めた。(次回に続く)